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立会決済 司法書士ならどう動く?[売主代理 下]

立会決済で売主を代理する司法書士は、立会決済に向けてどんなことをすればよいでしょうか?


決済場所へ行ってから、決済時、決済終了後、登記完了後に行うことをまとめました。


重要なのは、人、モノ、意思の確認です。


これを念頭に置いて行動しましょう。


参考サイト


立会決済 司法書士ならどう動く?


基本用語篇


売主代理 上


買主代理 上


買主代理 下


今さら聞けない⁉書面申請のやり方


名変登記


評価証明書

目次

決済時

決済の現場では、各当事者と名刺交換し、不動産業者の担当者の進行に合わせながら作業を行います。

決済の最大のミッションは、当日中に登記申請することです。

それを念頭に置きながら、記載の記述の順番にとらわれず、臨機に対応すればよいでしょう。

また、決済時に、登記完了後にお渡しする書類があるかどうか各当事者に訊いておきましょう。

売 主

まず、本人確認書類(運転免許証等)を見せてもらい、可能ならコピーをとってもらいます。
(復代理方式の場合は、買主側司法書士の分もコピーが必要です。)

次に、事前に作成した委任状と登記原因証明情報に署名押印してもらいます。

また、登記済証または登記識別情報と印鑑証明書を預かります。
(分筆等で登記識別情報が今後も必要となる場合は、登記識別情報をコピーし、返却します。)

売主が不動産業者等法人の場合、登記所に印鑑証明書を添付しなくてもよいことになりました。とはいえ、印鑑証明書を出してもらわなければ委任状に捺した印影を確認できません。そうなると、決済が終了後の印鑑証明書の保管が問題に……

あと、上申書に署名押印してもらう必要がある場合もあります。

押印は、認印でもよい書類も含め、すべての書類に実印を捺してもらうことがほとんどです。

不動産業者

業者担当者が評価証明書を持参される場合は、受け取って内容を確認します。

また、登記完了後に必要書類があるかどうかを訊いておきましょう。

業者担当者が現金で報酬をもらえるよう段取りしてくれることがほとんどなのですが、稀に段取りの悪い人がいて、その場で報酬をもらえないことがあります……

買主側司法書士

所有権移転登記に関する以下の書類を、買主側司法書士に渡します。

・登記原因証明情報
・登記済証または登記識別情報
・委任状(売主が署名押印したもの)
・売主の印鑑証明書
・評価証明書
・(復代理方式の場合)復代理の委任状(売主側司法書士が記名押印したもの)

登記完了後に、完了後謄本をFaxで送信してもらうよう買主側司法書士に依頼しておきましょう(依頼しても送ってくれない人が少なくないようですが……)。

抹消登記申請をする場合で、

・抹消書類を事前に入手している
・抹消金融機関の担当者が決済に出席している

ときは、買主側司法書士が書面による共同申請で所有権移転登記を申請する場合は、抹消登記申請に関する書類一式を買主側司法書士に渡します。

名変登記申請をする場合で、買主側司法書士が書面による共同申請で所有権移転登記を申請する場合は、名変登記申請に関する書類一式を買主側司法書士に渡します。

抹消金融機関

抹消金融機関の担当者が出席されている場合は、抹消書類をもらいます。

金融機関から抹消書類を受け取る際、受領書への記名押印を求められます。

どの金融機関でも署名押印は求められますが、その他の記載事項は金融機関により違い、住所であったり、事務所名であったりします。押印は認印でかまいません。職印を捺したことはありません。

迷うのは、抹消書類の受取人が申請人となる司法書士とは違う場合です。

司法書士が複数いる事務所ではあり得ます。

この場合、(登記申請人ではなく)抹消書類を受け取る人の氏名等を受領書に記載します。

不安なら、受領書を事前にもらっていても、金融機関の窓口で訊いて記入するのが無難です。

金融機関によっては、抹消書類受取時に司法書士会員証の提示を求められる場合があります。

決済終了後

抹消登記・名変登記を書面申請する場合で、買主側司法書士が復代理方式で所有権移転登記を申請する場合は、決済終了後に自らが登記所へ行き、申請書を提出しなければなりません。

また、決済終了までに抹消書類をもらえなかった場合は、抹消金融機関へ抹消書類をもらいに行きます。

抹消書類入手

抹消金融機関への着金を確認後、抹消金融機関から抹消書類を受け取ります。

某カード会社では、抹消書類受取時に免許証の提示を求められたことがあります。

抹消金融機関が複数ある場合は、はしごになり、時間も労力もかかります。

決済日が月末の場合は、着金するまで何時間もかかることもあるので、抹消金融機関が複数ある場合は、一日仕事になってしまいかねません。

抹消登記を書面で申請する場合は、抹消書類入手後に登記所へ行き、申請書を提出します。

登記所へ申請~共同申請の場合

決済終了後でなければ抹消書類をもらえない場合で、抹消登記を書面で申請し、所有権移転登記を書面による共同申請でするときは、買主側司法書士の方が先に登記所へ着いているはずでしょうから、
――あまり待たせたらあかん。
おもうて、けっこう焦りますね。

登記所へ行き、抹消登記申請に関する書類一式を買主側司法書士に渡せばそれで終わり。

窓口には、買主側司法書士がまとめて書類を提出されます。

抹消登記をオンライン申請する場合、申請後、買主側司法書士に受付番号を伝えます。

登記所へ申請~復代理方式の場合

所有権移転登記が復代理方式の場合は、抹消登記の申請方式が書面でもオンラインでも、申請後、受付番号を買主側司法書士に伝えます。

登記完了後

――決済が終わればそれで終わり!

とは限りません。

顧客に完了後書類を渡すまでは、事件は続いているのです。

抹消金融機関

抹消金融機関からは、完了後の登記事項証明書(完了後謄本)の写しを要求されることが多いです。

決裁時に買主側司法書士に完了後謄本の写しのFax送信を依頼しておきましょう(買主側司法書士も心得ておられるとは思いますが)。受信したら、Faxで転送します。郵送してもかまいません。

金融機関によっては、完了後謄本ではなく、登記完了証を要求してくるところもありますし、完了後謄本と登記完了証の両方を要求してくるところもあるので、金融機関に確認しておきましょう。

不動産業者

業者さんの多くは、
――取引がうまくいけばそれでよい。
ということで、後日何かを求めたりはしてきません。

一方、S不動産販売社さんやSMトラスト不動産社さんなどは完了後謄本の写しをFax送信するよう書かれた紙を渡されます(あるいは口頭で)。

後者に至っては、登記申請が終わったら電話するよういわれます。

今のところ、そんなことをいってくる業者は他にありません。
登記申請後、自主的に業者さんへ連絡したことはありましたが。

売 主

売主さんに何か完了後書類をお渡しすることは、あまりありません。

売主さんが登記済証を持ってきた場合には、
――登記完了後、登記済証を処分してかまいませんか。
と、訊ねます。何の意味もない紙でしかなくなりますからね。

売主さんが登記済証の返却を希望する場合は、送付します。

事務所によっては、決済時にレターパックプラス代(520円)を別途売主に要求しているところもあります。

売主さんが登記済証の返却を希望されない場合は、事務所で適切に処分します。

登記完了後に、登記完了証をもらいます。

登記完了証を売主さんに渡すことはあまりないので、うちではオンライン申請をする際は、登記完了証はwebにしています。

売主さんに登記済証を送付する場合は、紙の登記完了証を同封してもよいかもしれません。

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