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立会決済 司法書士ならどう動く?[買主代理 上]事前準備篇

買主側司法書士は、買主を代理して、

・所有権移転(保存)登記

・抵当権設定登記(融資がある場合)

を申請します。

立会決済の成功は、9分9厘事前準備にかかっています。

入念に準備をし、立会決済に臨みましょう!

立会決済 司法書士ならどう動く?

 基本用語篇

売主代理 上

売主代理 下

受領証について

住宅用家屋証明書をもらおう!

目次

不動産・当事者の把握

立会決済の依頼を受けたら、まず、モノ(不動産)とヒト(人)を把握しましょう。

融資の有無も確認します。

モノ

不動産業者・銀行等から送られる登記事項証明書の写しで不動産の現況(権利関係)を確認します。

中古建物の売買の場合は、不動産の築年数にも注意しましょう(家屋証明書が必要になるため)。

ヒト

不動産業者・銀行等の担当者から、当事者および関係者等の情報を聞き出します。

・売主
・買主
・設定金融機関の担当者(融資がある場合)
・売主側業者の担当者等の氏名・連絡先
・売主側司法書士の氏名(法人の場合は、名称)・連絡先

不動産業者

不動産業者への連絡は、電話とFaxで行うことが多いです。

必要書類の依頼

Fax等で以下の書類を依頼します。

・登記事項証明書の写し
・売買契約書の写し
・評価証明書等の写し

確認事項

・買主への必要書類の連絡を誰がするか?
(司法書士が直接行うか、不動産会社・銀行等を通して伝えてもらうか)

・売主の登記識別情報又は登記済証の有無

・買主が決済に出席するかどうか(司法書士が買主へ直接連絡しない場合)

業者への書類

業者からは、買主が当日に司法書士へ支払う報酬等の金額の見積書をFax送信するよう言われます。

支払額により、債権額が変わり得ます。

設定金融機関

銀行等から決済を頼まれたような場合でない限り、金融機関から司法書士に連絡がくることはまずありません。

必ず司法書士が設定金融機関に連絡するようにしましょう!

確認事項

設定金融機関に、抵当権設定登記の申請に必要な書類(設定書類)をいつもらえるか訊きます。

設定書類は、あらかじめもらえる場合と決済時にもらえる場合があります。

事前にもらえない場合は、登記事項((根)抵当権者、登記原因、債権額(極度額)、利息、損害金等)について確認します。

登記原因証明情報(抵当権設定契約証書等)や委任状の写しをFax等で送ってもらい、文面を確認できれば、安心して決済に臨めるんですけどね。

委任状は、権利者単独のものと権利者・義務者両方からのものとがあるので、確認が必要です。

金融機関が買主の住所証明書や印鑑証明書を預かっている場合があります。

その場合は、前もってもらえないか訊いてみましょう。買主の住所は、重要事項です。

また、決済に担当者が出席されるかどうかを確認します。

欠席の場合、当日の融資の段取りを訊いておきましょう(不動産業者の担当者が仕切るなら不要)。

さらに、申請後に受領証の送信が必要なのかどうか、オンライン申請の場合、「受付のお知らせ」でもかまわないか確認しておきましょう。

受領書

金融機関から設定書類を受け取る際、受領書への記名押印を求められます。

どの金融機関でも署名押印は求められますが、その他の記載事項は金融機関により違い、住所であったり、事務所名であったりします。押印は認印でかまいません。職印を捺したことはありません。

ややこしいのは、設定書類の受取人が申請人となる司法書士とは違う場合です。

司法書士が複数いる事務所の場合だと、あり得ます。

この場合、設定書類を受け取る人の氏名等を受領書に記載します(申請人の氏名等を受領書に記載しない)。

不安な場合は、事前にもらっていたとしても、金融機関の窓口で訊いてから記入する方がよいと思います。

金融機関によっては、設定書類受取時に身分証(免許証等)や司法書士会員証の提示を求められる場合がありますので、前もって確認しておきましょう。

金融機関への書類

金融機関から見積書をFax送信するよう言われることがあります(たぶん債権額決定のため)。

不動産業者が銀行に見積書を送る場合は、不要です。

買 主

買主に決済に出席するかどうかを事前に確認するとともに、決済当日に持参してもらう書類等の案内をします。

特に、住民票の写しは、早めにコピーをもらっておきましょう。

でないと、売主側司法書士が登記原因証明情報を作成できません。

必要書類等

・住民票の写し

・印鑑証明書(3か月以内、抵当権設定登記を申請する場合)

・実印(抵当権設定登記を申請する場合)

・認印(実印が必要なら、不要)

・身分証明書(運転免許証等)

(注)
・家屋証明書の取得が必要な場合は、別途必要書類が必要な場合あり(各市町村のHP等で確認)。
・住所証明書や印鑑証明書は、不動産業者か銀行が預かっている場合があります。

買主欠席なら

買主が決済に欠席する場合は、事前に以下の委任状を渡して署名押印してもらい、当日出席者に持ってきてもらうように伝えましょう。

・司法書士への登記申請手続委任状(所有権移転(保存)登記・抵当権設定登記)
・出席者への委任状(事務所で保管し、登記所には出さない)

売主側司法書士

「わかれ」の取引になる場合、買主側司法書士から売主側司法書士へ連絡し、決裁当日の手続きや動線等について事前に打ち合わせておかなければなりません。

特に、売主に抹消や名変がある場合は、売主側司法書士自身に登記所へ申請してもらう場合があります。

その場合は、決裁当日中に申請できるようにすべく、入念に話し合っておきましょう。

連絡事項

「わかれ」の取引になる場合、買主側司法書士から売主側司法書士へ所有権移転(保存)登記の申請方式(復代理方式か共同申請か)を連絡し、義務者の表示と登記原因証明情報の送信を依頼します。

買主の住民票を入手したら、売主側司法書士に写しを送信します(でないと、登記原因証明情報を作れない)。

復代理方式の場合、決済時に未失効照会の結果を出力した紙を持参するよう売主側司法書士に言う買主側司法書士もいます。

新築建物を売買する場合は、売主側司法書士が家屋証明書を保有しているか訊いてみましょう。

売主側司法書士に登記所へ申請してもらう場合

売主に抹消や名変がある場合に、売主側司法書士が自ら登記所に申請するかどうかは、所有権移転(保存)登記の申請方式によります。

(1)移転登記を復代理方式でオンライン申請する場合
 売主側司法書士は、自ら抹消・名変登記を申請しなければなりません。
 申請方式は、書面でもオンラインでもかまいません。
 申請後、受付番号を連絡してもらうよう売主側司法書士に頼みます。

(2)移転登記を書面による共同申請でする場合
①抹消・名変・移転ともに書面申請
 抹消・名変の登記申請に必要な書類が決済終了までにそろう場合は、買主側司法書士が書類一式を預かり、まとめて申請(売主側司法書士が登記所に申請しなくてもよい)
 抹消書類の受け取りが決済終了後の場合は、売主側司法書士が自ら抹消登記を申請する必要があります。
 
②抹消・名変はオンライン、移転は書面申請
 売主側司法書士に抹消・名変登記申請後、受付番号を連絡してもらうよう依頼
 まずないと思いますが……

(注)共同申請をオンラインですることは、まずありません。
   買主側司法書士が復代理方式で書面申請をすることは、おそらくありません。
   (復代理方式は、オンライン申請を行うための方便だから)

保存登記の家屋証明書

買主が新築の建物を購入される場合は、家屋証明書が発行されていることがあります。

表示の登記を申請した土地家屋調査士の先生に訊いてみましょう。
(土地家屋調査士が誰かわからなければ、不動産業者に尋ねれば教えてくれます)

土地家屋調査士から売主側司法書士に送られていて、決済に持ってきてもらえる場合があります。

必要書類の作成

作成が必要なのは、

・登記申請書
・買主からの委任状

です。

いずれも所有権移転(保存)登記(と抵当権設定登記)について作成が必要です。

さらに、家屋証明書の取得が必要な場合は、家屋証明書の申請書と申立書等の作成も必要です。

特に、申請書は、作成してみてはじめて気づくようなこともあります。
 
依頼を受けたら、すぐに申請書を作成してみましょう。

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