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株式会社の設立手続の流れ(2) 発起人の同意と決定

目次

発起人の同意

登記事項である次の事項については、発起人全員の同意が必要です。

・発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数
・発起人が設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額
・成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項

上記事項を定款に記載した場合は、発起人同意書は不要です。

発起人同意書の例を、以下に記します。

同 意 書

年月日、○○市△△町×番●号当会社創立事務所において、発起人全員の同意をもって、下記のとおり決定した。

1.設立時に発行する株式総数
A 100株(1株あたりの払込価額金1万円)
B 100株(1株あたりの払込価額金1万円)

2.資本金の額 金200万円
資本準備金の額 金0円

上記事項を証するため、発起人全員記名押印する。
年月日
○○株式会社
発起人 印

払込金額のうち半額以上は、資本金としなければなりません。

出資の履行

定款の認証後に、発起人全員が発起人代表名義の個人口座に入金します。単に入金すればよいです。
(残高が払込金額以上あればよいのではなくて、払込行為が重要)
振込にすれば、払い込んだ人の名前が記載されます。

払込を証する証明書の本文の例を、以下に記します。

証 明 書

当会社の設立時発行株式数について、下記のとおり全額の払込みがあったことを証明します。
設立時発行株式数  200株
払込みを受けた金額 金200万円
年月日
○○株式会社
設立時代表取締役 登記所届出印 (記名押印)

本文の後ろに通帳のコピーをつけていきます。
2枚目 通帳の表紙のコピー
3枚目 口座番号と名義人が記載されている頁(ふつうは、表紙をめくった頁)のコピー
4枚目 発起人が入金した記載がある頁のコピー(通帳のコピーに入金者名と金額を蛍光ペンでマークする)

以上4枚をホッチキスで合綴し、綴り目に登記所届出印で契印します。

ネット銀行でも、銀行名、口座番号、口座名義人、発起人が入金した記載が出力されていれば問題ありません。

役員選任

発起人の決定

発起人は、出資の履行完了後、(議決権の)過半数の一致により下記事項を決定します。

・設立時役員
・本店の具体的な所在場所
・支店の具体的な所在場所

上記事項を定款に記載した場合は、発起人決定書は不要です。

「本店の具体的な所在場所」というのは、定款に、
――当会社は、本店を大阪市に置く。
とだけ記載した場合に、登記所には、
大阪市城東区関目四丁目6番34号
まで申請しなければならないため、その根拠として発起人決定書が必要になります。

発起人決定書の例を、以下に記します。

設立時取締役及び本店所在場所決議書

年月日 ○○会社創立事務所において議決権の過半数を有する発起人が出席し、その全員の一致の決議により次のように設立時取締役及び本店所在場所を次のとおり選任、決定した。

設立時取締役 鈴木一郎、竹野十一

本店所在場所 大阪市城東区関目四丁目6番34号

上記決定事項を証するため、出席した発起人は、次のとおり記名押印する。
年月日
○○株式会社
発起人 印

設立時代表取締役の選定

設立時代表取締役を選定するのは、

取締役会設置会社…設立時取締役

取締役会非設置会社…発起人

定款であらかじめ定めておけば、出資の履行とともに選定されたものとみなされます。

設立時代表取締役選定決議書の例を、以下に記します(取締役会設置会社の場合)。

設立時代表取締役選定決議書

年月日 ○○会社創立事務所において過半数の設立時取締役が出席し、その全員の一致の決議により次のように設立時代表取締役を選定した。なお、被選定者は即時議決権その就任を承諾した。
設立時代表取締役 鈴木一郎

上記設立時代表取締役の選定を証するため、出席した設立時取締役は、次のとおり記名押印する。

年月日
○○株式会社
出席設立時取締役 鈴木 一郎 個人実印
同        竹野 十一  印

就任承諾書

会社と役員は、委任関係にあります。
役員に選ばれた時点で役員になれるわけではなく、就任を承諾した時点で役員に就任することになります。

就任承諾書の例を、以下に記します。

就任承諾書

私は、年月日、貴社の設立時取締役に選任されたので、その就任を承諾します。 

年月日
○○市△△町×番●号
竹野 十一  印
○○株式会社 御中

就任承諾書に実印を押印すべきなのは、
取締役会設置会社  設立時代表取締役
取締役会非設置会社 設立時取締役
だけであり、他の役員は認印でもかまいません。

実印を押印した役員については、印鑑証明書(発行後3か月以内のもの)の添付も必要です。

なお、定款に設立時取締役や設立時代表取締役の記載があり、当該設立時取締役、設立時代表取締役が発起人で定款に実印を押していた場合、当該設立時取締役、設立時代表取締役が就任を承諾したとみなされるため、就任承諾書は必要ありません。 

本人確認証明書

また、設立時取締役及び設立時監査役については、本人確認証明書の添付が必要です。

本人確認証明書の例
  ○住民票の写し(個人番号は記載しないこと!)
  ○戸籍の附票
  ○運転免許証の両面のコピー
  ○マイナンバーカードの表面(氏名,住所,生年月日及び性別が記載されている面)のコピー(裏面不可)
  ○住基カード(住所が記載されているもの)の両面のコピー

《注意》
 運転免許証やマイナンバーカード等のコピーに、本人が「原本と相違がない。」と記載して、記名押印する。

 個人番号の「通知カード」は、本人確認証明書として使用できない。

本人確認証明書は、住民票の写しが多いです。

印鑑証明書を添付する場合は、本人確認証明書は不要です。     

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