相続登記 遺言書があるとき ないとき
「相続による名義変更をしたいんやけど、何がいるんかなあ?」
どなたさまも最初にそう訊いてくるのですが、
それだけでは、こちらも正直首をかしげざるを得ません。
ひと口に相続登記と申しても、ケースによって必要書類が異なるからです。
この場合のこちらのご対応としましては、まず、
・遺言の有無
・遺言がない場合は、相続人が複数いるか
この二点をうかがいます。
最初に遺言の有無をたずねるのは、遺言の有無で必要な書類が大きく変わるからです。
相続人が複数いるかをたずねるのは、遺産分割協議が必要な場合があるからです。
相続人がお一人であれば、法定相続のお手続きをしていただければよろしいです。
(ほとんどが遺言がなく、相続人が複数いるケースであると思います。)
では、遺言の有無で手続にどのような違いがあるのでしょうか?
遺産分割協議書については、以下の記事をご覧ください。
ご両親が連続して亡くなられた場合の相続登記
相続 登記についてお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
寝屋川市 香里園 あいゆう司法書士事務所
相続関係説明図 - 法務局
目次
遺言書がないとき
・被相続人の戸籍謄抄本(被相続人の出生から死亡まで連続したもの)
・被相続人の住民票の除票(本籍の記載があるもの)又は戸籍附票
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・相続される方の住民票(本籍の記載があるもの)
・遺産分割協議書 →相続人全員の署名押印(実印)が必要。
・相続人全員の印鑑証明書
・固定資産評価証明書(最新年度のもの)
・相続する不動産の登記済証又は登記識別情報証明書(必要な場合)
詳細は、以下の記事をご覧ください。
遺言書があるとき
・遺言書(自筆証書遺言の場合は、検認が必要)
・被相続人の戸籍謄本(亡くなられた記載のあるもの)
・被相続人の住民票の除票(本籍の記載があるもの)又は戸籍附票
・相続される方の現在の戸籍謄本
・相続される方の住民票(本籍の記載があるもの)
・固定資産評価証明書(最新年度のもの)
・相続する不動産の登記済証又は登記識別情報証明書(必要な場合)
遺言書があれば
遺言書があれば、手続がかなり楽になります。
公正証書遺言であれば、検認が不要なので、遺言者が亡くなられたら、直ちに手続を始めることができます。
相続関係説明図
相続関係説明図を作成すれば、戸籍の原本を返してもらえます。
遺言書がある場合、相続関係説明図には、被相続人と相続人だけを記載します(それしか書けない)。
相続関係説明図を作成しなくても、戸籍のコピーをつければ戸籍の原本を返してもらえますが、
司法書士が申請する以上、作成しないわけにはいかないでしょう⁉
作成した方が審査される登記官の手間が省け、手続完了までの時間が短くなることが期待できます。
戸籍謄本は現在のものだけでよいのか?
遺言書がない場合、被相続人の出生から死亡までの戸籍をつなげなければなりません。
相続人が誰なのかを特定させる必要があるからです。
遺言書がある場合は、
・遺言者(被相続人)の死亡=遺言書の発効
・遺言により不動産を相続させる相手が、遺言者(被相続人)の相続人であること
だけを証明すればよいので、出生時にむかって遡る必要がございません。
(他に相続人がいるのかを調べる必要もございません。)
遺言者と相続させる相手が親子であれば、相続人の戸籍に親である被相続人の名が記載されているので、
それで十分なのです。
公正証書遺言の謄本を提出すればよいのか?
登記を申請する際の添付書類は、原本でなければなりません。
公正証書遺言には、正本と謄本があります(原本は、公証役場で保管)。
登記申請時に窓口に提出する公正証書遺言は、正本なくても問題はございません。
公正証書遺言の謄本でも審査は通ります。
実際に公正証書遺言の謄本を添付して相続登記の申請をさせていただいたことがありますが、
法務局から問い合わせを受けたことはございません。
謄本とは写しすなわちコピーのことですが、公正証書遺言の謄本のコピーでは通りません。
公正証書遺言の謄本の正本、すなわち、公証役場で手渡された書類を窓口に提出するようにしてください。
実際は、公正証書遺言の謄本とそのコピーの両方を窓口に提出し、
登記完了後に、公正証書遺言の謄本(の正本)を返してもらっています。
つまり、原本還付処理をしております。
原本還付処理については、以下の記事をご覧ください。
相続登記に要する日数
順調に進んだ場合であっても、1か月~2か月程度はかかると思います。
公正証書遺言がある場合の相続登記のお手続にかかる日数ですが、
当事務所では、ご依頼を受けてからわずか2週間でお客様へ登記完了書類をお渡ししたことがございます。
(地元の不動産では、おそらく不可能であろうと思われますが。)
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