寝屋川で司法書士が後見人をやってみた(4)驚喜の新事実
銀行や役所等への届出と並行して、後見業務に大切な成年後見登記事項証明書の請求をし、家庭裁判所への初回報告をしました。
これが終われば、被後見人の預金口座から現金を引き出したり、代理人として契約をすることができます。
市税務署で知らされた、本人すら知らなかった収入とは⁉
寝屋川で司法書士が後見人をやってみた
(1)初めての後見人
(2)債務判明 さすガっス‼
(3) 後見人就任の届出
(5) 財産の確保
(6) 本人宅への途
相続 後見 ご相談承ります。
寝屋川 香里 あいゆう司法書士事務所
目次
- ○ 成年後見登記事項証明書の請求
- ・申請却下後の手数料還付
- ・結 論
- ○ 家庭裁判所への初回報告
- ・財産目録の作成
- ・収支予定表の作成
- ・感 想
- ○ 企業年金
- ・新事実 発覚
- ・振込先の探求
- ・源泉徴収票の請求
成年後見登記事項証明書の請求
後見人であることを証明する書類として、成年後見登記事項証明書は必要です。
でも、何通必要なのでしょうか?
LSの「法定後見 ハンドブック」では、オンラインで3通請求することを推奨していました。
オンライン申請だと手数料が安いですからね。
なぜ3通必要なのか、わかりませんが。
申請却下後の手数料還付
オンライン申請して、電子納付して、後は待つだけ。
そう思ってたら、東京法務局から電話がかかってきました。
本人確認ができない、とのこと。
「なんでぇ~?不動産やって登記申請できてるでぇ~」
おもわず悲鳴を挙げてしまいましたよ。
「けっこう言われるんですけど、後見は、不動産とかと違うんですよ」
他にもこんな人がたくさんいるんでしょうね。
「マイナンバーカードがあれば、オンライン請求できるんですけどね」
「マイナンバーカード、ありますよ」
ところが、マイナンバーカードだけではオンラインで請求できず、リーダーがないとオンライン請求できないとのこと。何じゃ、そりゃあ~
ということで、あきらめざるを得ません。できないもんは、仕方ない。
「じゃあ、どうしたらいいですか」
と、訊いてみると、
「却下しますので、2週間何もしないでください」
「手数料は?」
「却下後に、償還請求書を送りますから、それに記入してください」
――手数料が還ってくるんやったら、まっいっか
と、安堵したものの、なかなか手続きは進まないですね。
却下決定書と償還請求書が届いたのは、この日から1か月後
納付した手数料が還ってくるのは、そこからさらに4か月半
納付から還付まで実に5か月半以上、これぞ、"The お役所"ですね。
具体的な日付は、下記リンク先に記載の通りです。
結 論
結局、成年後見登記事項証明書を郵送で1通請求しました。
5日後には届きました。
銀行や役所等への届出は使い回しできるので、1通あれば十分です。
成年後見登記事項証明書は、郵送で1通請求することをお勧めします。
家庭裁判所への初回報告
後見申立記録閲覧時に家庭裁判所で渡された、
「専門職後見人等候補者の方へ(事務連絡)」
という紙に、その後の手続の流れについて箇条書きで書かれており、
――後見人の場合は、審判確定後1か月と3週間以内に財産目録及び収支予定表を裁判所宛に提出してください。
と、下線が付されています。
審判確定=後見人就任ですから、後見人に就任してから1か月と3週間以内に家庭裁判所へ初回報告と財産目録と収支予定表を提出しなければなりません。
財産目録の作成
銀行口座の預金残高が判明したので、財産目録を作成することができます。
施設の方に尋ねたら、被後見人は全く現金を有していない、とのことでしたから、預貯金額=全財産です。
収支予定表の作成
収入は、厚生年金のみでした。
支出は、日常生活費と税金,社会保険料が該当します。
日常生活費は、施設入所費と家賃があります。
税金,社会保険料は、年金暮らしだと、住民税、健康保険料、介護保険料ですね。
厚生年金、住民税、健康保険料、介護保険料は、年金額決定通知書記載の額を12で割った数値を記入しました。
その他は、後見事務費として、本人面会時にかかる交通費も記入しました。
収支はマイナス予定ですが、何をすれば改善するかハッキリしてきたような気がしました。
感 想
以上を出力して押印し、根拠資料をつけて送付しました。
後見人就任から1か月半、被後見人本人と面会してから1か月、けっこうタイトでしたね。
家庭裁判所への初回報告を終われば、後見業務が落ち着きます。
まだ被後見人の財産をコントロールできていませんが。
企業年金
新事実 発覚
市税務署へ成年後見人就任の届出等をしに行った時に、まさかの新事実が発覚!
厚生年金以外にも被後見人に収入があったのです。
それは、企業年金です。
入金額は厚生年金とは比べものにならないとはいえ、収支が少し改善されそうです。
それにしても、裁判所に報告してから判るんですかね、こういうのって。
関係者はおろか、本人でさえ把握していなかったようですから、どうしようもないですけどね。
振込先の探求
預かっている預金口座には企業年金が入っていないので、他に口座があることになります。
どの銀行の口座なん?
認知症の本人に訊いてもわかるかどうか怪しいので、給付を行っている企業年金連合会に電話して訊いてみました。
すると、電話では教えられないので、成年後見人就任の届出書の余白にその旨を記載するよう言われました。
企業年金連合会への届出には、登記事項証明書の原本を同封しなければなりません。
1通しかない貴重な書類を手放すのはとても怖いですが、他に用途がないので、思い切って送りました。
17日後に、登記事項証明書だけ先行して返送されました。
3週間後に、銀行名と取扱店名と口座番号(一部伏字)を記載した振込通知書が来ました。
源泉徴収票の請求
さらに、来るべき還付申告に備え、年金事務所と企業年金連合会へ2年分の源泉徴収票を請求しました。
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