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寝屋川で司法書士が後見人をやってみた(6) 本人宅への途

寝屋川の司法書士 渡辺です。

被後見人の預金口座を自由に引き出しできるようになり、未払いの公共料金の支払いを終えました。

残る重大事は、脱"カラ家賃" すなわち借家を引き払うことです。

そのためにも、まずは本人の借家を検分する必要があります。

しかし、"あの病気"のせいで、施設へ訪問することができず、行き詰った状態になりました。

この状況、いつ打開することができるのでしょうか?

寝屋川で司法書士が後見人をやってみた

(1)初めての後見人

(2)債務判明 さすガっス‼

(3)後見人就任の届出

(4)驚喜の新事実

(5)財産の確保

相続 後見 ご相談承ります。

寝屋川 香里 あいゆう司法書士事務所

目次

負担限度額認定

4月末、市の高齢介護室から電話がありました。

ワガヤノヨウニアッタカイ

「○○さん(被後見人)の財産は、もう管理されてるんですか」

「最近、ようやっと……、でもそちらに連絡しましたよ」

「……?? 誰にしました」

「□□さん」

「□□は、申立担当なんですよ。私は、給付担当です」

そんなん知らんわ~

高齢介護室の中でいろんな部署があって、それぞれ担当が違うらしい。

それにしても、同じ部署内なんやさかい、連携してもらわなあかんやろ~?

"縦割り行政、ここに極まれり"の典型やな

どこが、"ワガヤノヨウニアッタカイ"だよ――

これやったら、"コオリノヨウニツメタイ"やで!

Public Servant

「もし払えるんやったら、施設からの代金は、これからはそこから支払ってもらえませんか」

「もちろん、それはしますが」

「え~っと、ひげそりが××円……」

(ひげそりって、そんなにしたか⁇)

「これまでは、施設から市に請求があって市が支払っていましたが」

(そのときは措置費用のことをいうてるんかなあ、って思うたけど、今にして想えば、どうやら違うらしい)

「支払えるんでしたら、払える分は支払ってもらわないと」

「支払いはしますが、額が少ない方がありがたい、ってなるんでしょうね」

そう水を向けたら、

「税金から出ることになりますからね」

って、いうてきやったんやけど、それやったら、

――あんたらへの俸給の原資は、どっから出てんやおもうとんねん (℃℃℃)‼

って、話になっちゃうで。

そりゃあサービスを受けたら対価を支払うのは当然ですが、言い方がねぇ……

――そもそも、今ごろになって、なんでいきなりそんなこと言い出すんやろか?

その応えが、

「異動とかあって忙しくて、これまでお話できなかったのは申し訳ないんですけど」

ということやったんで、

「△△さんは、異動されはったんですか?」

って、訊いたら、

「いえ、ずっと担当してました」

それやったら、言い訳にならへんのとちゃうん?

負担限度額認定

「施設への支払いは、施設と話をしてもらえますか」

「(新型コロナウイルスの流行で)施設へ来たらあかんっていわれてますが……」

「施設へ行って職員に話すのは大丈夫ですよ。そこへは私も行ってますし」

――そうなんや‼

どうやら、本人にさえ会わなければ問題ないんですね。

「特別障害者控除認定を受けて、非課税になった思うんで、施設利用料は安くなってるんですよね」

念のため、そういうてみたら、

「それだけでは安くなりません。負担限度額認定を受けてください」

って、いわれました。

――えっ、まだせなあかんことがあるん⁉

どうやら、特別障害者控除認定を受けたら自動的に施設利用料が安くなるわけではなくて、負担限度額認定を受けなければ施設利用料が安くならないそうです。

こんなん、はっきりいうて、知らんかったらわからんわ~

誰かが教えてくれるわけではないんでね。

ということで、負担限度額認定を受けるにはどうしたらいいのかを聴き、施設から別途連絡してもらうようにする、ということになりました。

施設へ

すぐ後に、施設から連絡がありました。

施設で立て替えている被後見人の病院代、薬代、おやつ代等の生活費を、これまでは毎月市に請求してたけど、後見人が本人の財産を管理しているのであれば、後見人に請求して支払ってもらうようにいわれた、とのこと。

(まあ、施設からすれば、私人に連絡するより、市に請求した方が楽で確実やから)

「それやったら、かまいませんよ」

公務員へはきつめに言うけど、私人には腰やわらかいです(苦笑)。

もちろん、ここでは、ひげそりの話なんて、してません。

「本人名義の口座から引き落としにしてもらいたいんで、できれば口座振替依頼書に記入しに来てもらえませんか」

かねてから施設を訪ねたかったんで、二つ返事です。

「休日とか祝日とかでも大丈夫ですか」

大型連休にさしかかりますから、そういわれたんでしょうね。

まあ、早い方がいいのなら対応いたしましょう。

ということで、行けそうな時に前もって連絡するということになりました。

本人宅への途

連休中、久しぶりに施設を訪れました。

3か月ほど前に本人に面会に行って以来です。

――新型コロナウイルスの流行で、本人への面会はできない。
施設からそう告げられていました。

とはいえ、1か月に1回は本人に面会するよう指導されていたので、面会できない代わりに毎月施設の担当者の方にメールを送り、本人の様子を確認してみたんですが、返信はありませんでした。

施設の方は忙しいでしょうから、気にしてなかったですが。

借家の鍵 Get

先日施設の方と話した際に、

・借家の鍵
・借家の賃貸借契約書
・MUFG(企業年金の振込口座)の通帳・キャッシュカード
・マイナンバーがわかる書類

がないかみてもらえないかお願いしていました。

そのうち、引き渡しを受けたのは、鍵だけでした。

他は、家の中を捜したら出てくるかもしれませんがね。

ここで一番問題になるのは、

――本人の意思を直接確認してないけど、賃貸借契約を解除しても大丈夫なのか?

ということです。確認すると、

「本人はここの暮らしに満足してるんで、家のことはもういいみたいです」

「先生が家の鍵が欲しい云うてる、っていったら、あっさりと鍵を渡してくれたんですよ」

とのこと。

これで何の気兼ねなく引き払えますね!

髭剃りの値段

口座振替依頼書に記入したついでに、最近の利用料や医療費について教えてもらいました。

施設利用料は、今後も措置費として市に請求し、こちらに直接請求しないとのことでした。

「正式な契約は、いつ頃すればよろしいでしょうか」

「今、措置棟にいるんですが、契約者の棟が空いたら一緒に暮らしている人たちと一斉に建物を移るんで、そうしたら正式に契約するということで。今の環境を変えたくないんで」

「借家を引き払っても、それまでは住民票を施設に移さなくてもいいんですね」

この件に関しては施設の裁量やさかい、市に何言われても

――施設に任せてます。

しかいえませんね(いわれたことないけど)。

「ひげそりって、そんなにせんでしょう」

「うちの若いもんがコーナン行ってみたら、それくらいするっていうてきやったんです」

「うちもコーナンでみた額をいうたんやけどなあ」

(後日、自分が言ってたくらいの額でひげそりをコーナンで購入されていました。)

帰途、本人の借家に寄り、鍵を開けて中に入ることにしました。

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