Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//[相続登記] 古い遺産分割協議書は使えるの? 遺産分割協議後に相続人が死亡したら?

相続

[相続登記] 古い遺産分割協議書は使えるの? 遺産分割協議後に相続人が死亡したら?

寝屋川市の司法書士 渡辺です。

2024年4月以降、相続登記は相続開始を知ってから3年以内にしなければならなくなりました。

“相続登記義務化”が周知されてきた影響からか、最近は、

"相続開始後に遺産分割協議を行い、相続税を申告したが、相続登記の申請はまだ"

のような相談を承ることがございます。これは、

・遺産分割協議は行ったが、協議書を作成していない。

・遺産分割協議書は作成したが、相続登記を申請していない。

の2つに大別され、さらに、

相続登記を申請する前に、相続人が亡くなってしまった。

というケースもございます。

このような場合、どうすればよいでしょうか?

相続 登記についてお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

寝屋川市 香里園 あいゆう司法書士事務所

遺産分割協議書

目次

事 例

被相続人 A
相続人  B,C

遺産分割協議により、CさんがAさん名義の不動産を相続することになりました。

遺産分割協議書作成後に死亡した場合

その旨を記載した遺産分割協議書は作成しましたが、相談登記を申請する前にBさんが亡くなりました。

印鑑証明書がある場合

遺産分割協議は有効なので、BさんとCさんの印鑑証明書があれば、

登記を申請することができます(印鑑証明書が古くても可)。

この場合、Bさんが生きているという扱いで申請すれば問題ありません。

Bさんの戸籍謄抄本も現在のものだけで十分です(出生から死亡までそろえなくてよい)。

戸籍にBさんの死亡日が記載されているので、それがAさんの死亡日より後であれば、

その方が相続人であることがわかるからです。

ただし、遺産分割協議書の押印が経年によりにじんでしまい、印影が照合できなくなってしまっている場合は、

遺産分割協議書を作成し直す必要があるでしょう。

印鑑証明書がない場合

亡くなった方の印鑑証明書を取得することはできません。

Bさんの印鑑証明書がない場合は、

・遺産分割協議書の再作成

・真正証明書の作成

のいずれかの対応が必要になります。

真正証明書

遺産分割協議書の作成が真正に行われたことをBさんの相続人全員が(実印を捺すことで)証明し、

Bさんの相続人全員の印鑑証明書を添付して登記を申請します。

さらに、この場合、真正証明書に実印を捺した人がBさんの相続人全員であることを証明するため、

Bさんの相続関係がわかる戸籍謄抄本も添付する必要があります。

(Bさんの出生から死亡までの戸籍謄本をそろえるべし)

上申書が必要な場合も、死亡した相続人の相続人全員の実印と印鑑証明書が必要です。

遺産分割協議書に記載された相続人の住所が現住所と違う場合

印鑑証明書に記載されている相続人の住所が遺産分割協議書に記載した住所と違う場合は、

遺産分割協議書を作成し直す必要があると思います。

(遺産分割終了後)遺産分割協議書作成前に死亡した場合

遺産分割協議書を作成していなくても、一度成立した遺産分割協議は有効です。

この場合、死亡した相続人の相続人全員が

"遺産分割協議が真正に成立したことの証明書"

を作成し、実印を押した上、印鑑証明書を添付して相続登記を申請します。

死亡した相続人の相続人に未成年者がいる場合、特別代理人を選任すべきか?

Bさんの相続人に未成年者がいても、特別代理人を選任しなくてかまいません。

遺産分割協議を行った後であれば、事実を証明するだけで、利益相反にならないからです。

まとめ

一度行った遺産分割協議は、何十年以上経っても有効です。

遺産分割協議書を作成していれば、その後不動産を相続しない相続人が亡くなった場合であっても、

作成日が古くても、その遺産分割協議書を使って相続登記を申請することができます。

この場合、亡くなった相続人の印鑑証明書があればそれを添付し、

なければ亡くなった相続人の相続人全員の真正証明書と印鑑証明書を添付します。

印鑑証明書に有効期間はないので、何十年以上前のものであっても問題ありません。

SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧