How To おいめいの相続放棄 (2) 家裁提出書類の書き方
(1) では、そうぞく「と」うきがそうぞく「ほ」うきに変わった話をご紹介しました。
負動産を相続したくない、故人と疎遠なので相続に関わりたくない、などの場合は、
相続放棄も選択肢に入れて考えましょう。
ただし、相続放棄は、3か月以内に「家庭裁判所(以下、家裁)」へ申述しなければなりません。
ですから、相続放棄をするのであれば、速やかな決断が必要です。
相続 登記 終活 おまかせください!
寝屋川市 香里園 あいゆう司法書士事務所
相続の放棄の申述|裁判所
目次
- ○ 申述書の書き方
- ・申述人の住所・電話
- ・被相続人の死亡当時の職業
- ・相続の開始を知った日
- ・放棄の理由
- ・相続財産の概略
- ○ 申述期間に間に合いそうにない場合
- ○ 家裁の手続
- ・照会書・回答書
- ・質問事項
- ○ 申述の受理
- ・相続放棄受理通知書
- ・相続放棄受理証明書
- ○ ご自身で手続されるのが不安な方へ
申述書の書き方
申述人の住所・電話
住民票を出さないので、住居表示通りの住所を書くというより、
家裁からの文書の送付先として受け取り可能な住所を書けばよいと思います。
電話番号も同様です(電話がかかってこないケースが多いようですが)。
被相続人の死亡当時の職業
被相続人と生前に交流がなかった等でわからないような場合は、
死亡当時の職業は、「不明」でかまわないでしょう。
相続の開始を知った日
一般には、被相続人が死亡した日ですが、おいめいの場合等は、
自分が相続人であると知り、かつ相続財産(の一部)があることを認識した日となることがあり得ます。
その場合は、「4その他」に○をつけ、
カッコ内に、「相続財産の一部の存在を知った日」と書けばよいでしょう。
放棄の理由
一番多いのが、「5 債務超過のため。」でしょう。
被相続人や被相続人の家族と疎遠で関わりたくない場合は、
「6その他」に○をつけ、カッコ内に「相続手続に関わりたくない。」と書けばよいでしょう。
実のところ、相続放棄の理由は、何でもかまいません。
裁判所が確認したいのは、申述人に本当に相続放棄をする意思があるのか、ということですから。
よって、申述書の内容と回答書の内容に齟齬がなければ問題ない、ということになると思います。
相続財産の概略
相続財産が全くわからない場合は、空欄でもよいと思います。
あるいは、余白に「不明」と記載してもよいでしょう(うちは、後者ですね)。
相続放棄の理由が財産以外にあるのなら、調べる必要がありませんから。
負債もわからない場合は、「不明」と記載しています(空欄が怖いので)。
申述期間に間に合いそうにない場合
申述期間に間に合いそうにない場合は、申述書および提出可能な書類を添付して
申述期間内に合家裁に提出し、不足分は後日追完するようにします。
相続放棄の申述の手続に関しては、不備よりも、とにかく期間内に出すことが大事です。
(全部出したと思っても、後日家裁から別途書類の提出を求められることもあるようです。)
家裁の手続
相続放棄の手続は郵送で可能であるため、申述人が家裁に出頭する必要はありません。
ですから、提出先が遠方の家裁であっても、安心して手続できます。
照会書・回答書
相続放棄申述書を提出して不備がなければ、
1~2週間程度で申述人あてに照会書および回答書が家裁から送付されてきます。
回答書には、申述人ご自身が回答を記入し、署名・押印する必要があります。
(同封の返信用封筒には、切手が貼付されています。)
回答書の押印は、相続放棄申述書に押した印鑑でします。
その印影で、家裁は申述人の放棄の意思を確認します。
質問事項
多くの質問は、「はい」「いいえ」形式なので、答えやすいかと思います。
ただ、何か所か記述が必要な質問があり、
それらに対しては、申述書と齟齬がないように答えるようにします。
Q あなたは相続財産があることをどのようにして知りましたか。
いつは、申述書の「相続の開始を知った日」に記載した年月日と同じ年月日を記載します。
Q あなたが相続放棄をする理由を簡単に書いてください。
申述書の「放棄の理由」と全く同じに答えればよいでしょう。
例えば、被相続人や被相続人の家族と疎遠で関わりたくない場合で、申述書の「放棄の理由」の
「6 その他」に○をつけ、カッコ内に「相続手続に関わりたくない。」と書いていたのであれば、
回答書も「その他」にチェックして、カッコ内に「相続手続に関わりたくない。」と書けばよいのです。
国語の試験の回答であれば不十分な気もしますが、「簡単に書け」とあるし、
カッコのスペースも大きくはないので、問題ないでしょう。
申述の受理
相続放棄受理通知書
回答書を発送して、問題がなければ、10日~3週間ほどで家裁から「相続放棄受理通知書」が送られてきます。
これで、晴れて
「相続放棄したさかい」
と、第三者に主張できます。
相続放棄受理証明書
債権者に提出する場合等、必要であれば申請します(1通につき150円分の収入印紙を貼付のこと)。
一般に、金融機関や税務署などは、相続放棄の申述を受理されたことを証明する書類として、
相続放棄受理証明書の提出を求める場合が多いようです。
証明書の申請は、相続放棄が受理された後はもちろん、回答書を発送する際にも可能です。
ご自身で手続されるのが不安な方へ
司法書士はお客様の代わりに裁判所提出書類を作成し、提出することができます。
さらに、相続放棄に必要な戸籍を取得することもできます。
ですから、安心して司法書士におまかせください!
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