特別委任方式 ~ 司法書士が登記原因証明情報を作成できるケースとは?

3月1日から、一部登記手続において、司法書士及び司法書士法人(以下、「司法書士等」)が
お客様のご署名又は記名押印をいただくことなく
登記原因証明情報を作成できるようになりました。
「特別委任方式」と称するこの取扱いを利用することで、
お客様や司法書士の対応で従来と変わるところがあるのでしょうか?
相続 抵当権抹消・設定など不動産 & 会社・法人等 登記のことなら
寝屋川市 香里園 あいゆう司法書士事務所
法務局:特別委任方式の運用開始について
目次
- ○ 特別委任方式とは?
- ○ 要 件
- ・対象となる登記
- ・特別の委任
- ・登記原因証明情報の作成
- ・申請方法
- ○ 特例方式
- ○ 従来との違い
- ○ 留意点
- ・別れの決済
- ・高額の登記
- ・相続登記
- ・抵当権に関する登記
- ○ 雑 感
特別委任方式とは?
特別委任方式とは、不動産登記の申請をオンラインでおこなう際、
添付の登記原因証明情報を司法書士自身が作成・電子署名して提出する申請方式です。
これを利用すれば、売主など登記義務者が書面に署名または記名押印する手間が省けます。
司法書士が添付書類を作成することにより、オンライン申請の利用を促進する。
これがが導入の目的と考えられます。
要 件
特別委任方式を利用できる登記は、以下の要件を満たす場合に限られます。
対象となる登記
権利者・義務者の共同申請による権利に関する登記の申請で、登記の目的が以下のいずれか
・売買又は贈与による所有権移転登記(共有持分移転登記を含む)
・抵当権・根抵当権の設定・抹消登記
特別の委任
委任状に、登記義務者が司法書士等に登記原因証明情報の作成に係る特別の委任をした旨を記録する。
登記原因証明情報の作成
司法書士等がPDFで作成した登記原因証明情報に以下を記録し、電子署名をする。
・自らが確認した登記の原因となる事実又は法律行為及びその確認方法(※)
※確認方法:契約の締結や金銭の授受の現認、義務者からの聴取等相当と認められる方法
・司法書士等の氏名(職名)・作成年月日
申請方法
・登記原因証明情報を作成した司法書士等が、
代理人として登記原因証明情報(PDF)を添付してオンライン申請する。
・申請情報に特別委任方式である旨を記録する。
・登録免許税を電子納付する(非課税等の場合を除く)。
特例方式
現在行われているオンライン申請は、申請情報のみをデータで送信し、
送信後、書面で作成した添付情報を法務局に提出するケースが多いと思います。
(現状、添付情報のデジタル化がほぼ不可能なため)
この方法は、「特例方式」と呼ばれ、業界においては「半ライン申請」と通称されています。
また、登記原因証明情報は報告形式で作成し、
義務者となる方のご署名または記名押印をいただいておりました。
従来との違い
特別委任方式にすれば、義務者が書面で作成した登記原因証明情報に署名または記名押印する手間が省けます。
特例方式においては、書面で作成した登記原因証明情報を、
司法書士等がスキャンしてPDF化した上で、申請後に原本となる書面を法務局に提出する必要があるところ、
特別委任方式においては、オンライン申請時に添付したPDFの打ち出しを別途提出する必要はございません。
そう考えますと、司法書士にとっての恩恵は、提出すべき書面が少なくてすむうえに、
登記原因証明情報をスキャンする手間が省けるということになりましょうか。
留意点
別れの決済
別れの決済では、特別委任方式を利用できなさそうです。
復代理申請でオンライン申請する場合、申請者と登記原因証明情報作成者が異なるため、利用できません。
共同申請でオンラインを利用するのであれば、利用できるかもしれませんが。
高額の登記
登録免許税額がネットバンキングの利用金額の上限を超える場合、
電子納付することができませんから、特別委任方式を利用することもできません。
相続登記
相続登記は対象外なので、特別委任方式を利用できません。
抵当権に関する登記
抵当権抹消手続は、これまで通り金融機関が解除証書を交付するないかな、と思っています。
抵当権の設定手続は、原本還付の手間が省けて喜ばしいかもしれませんね。
雑 感
添付も含めたオンライン申請の完全化はなかなか難しいかもしれませんが、司法書士に権限を付与する形で
できそうなものから少しずつ電子化してゆくという方向性は大変ありがたいです。
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