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寝屋川で司法書士が後見人をやってみた(8) 口座の整理

寝屋川の司法書士 渡辺です。

後見人として、最優先すべきは、財産の把握と確保です。

現金と通帳、キャッシュカードがあるかどうか隅々までくまなく捜しました。

意いもよらない"ヘソクリ"が出てくるかも⁉

寝屋川で司法書士が後見人をやってみた

(1) 初めての後見人

(2) 債務判明 さすガっス‼

(3) 後見人就任の届出

(4) 驚喜の新事実

(5) 財産の確保

(6) 本人宅への途

(7) 居住用不動産処分許可の申立て

相続 後見 ご相談承ります。

寝屋川市 香里園 あいゆう司法書士事務所

目次

小銭を預金

本人宅の諸処に散らばる小銭を見つけては集めて銀行に預金しました。

枚数、なんと――

小銭コレクター

借家内の諸処に散らばっていた小銭の枚数を数えたら、なんと626枚⁉

内訳は、

100円玉 1枚
50円玉 17枚
10円玉 115枚
5円玉 24枚
1円玉 457枚

計2677円

初詣や十日戎の後の賽銭を数えているような感じでした。スケールが全然ちゃいますが。

これら硬貨と解約した複数口座の預金 計3197円を年金振込口座に預け入れました。

苦 闘

数えた額が合っている自信がなかったので、窓口で入金してもらおうと思って銀行へ行きました。

ところが、入り口にいた店員に、

「ATMでできます」

っていわれ、ブロックされました(窓口でやってもらうと手数料がかかるらしい)。

なので、しぶしぶATMの前で順番が来るまで並んでからちまちまと小銭を入れていきました。

何百枚の硬貨を一ぺんに入れられないんですよ!

ATMに一度に入金できる硬貨の数の上限が100枚なんでね。

もちろん100枚なんてわからへんさかい、感覚で何十枚かずつ入れていっては、100枚超と機械にいわれたら減らすなんて辛気臭いことを何十回も繰り返し、626枚の硬貨を7回に分けて入金しました。

全部入れ終えるまで2,30分くらいかかったんとちゃうかな……

休眠預金の解約

本人宅の家宅捜索で発見した休眠預金を解約し、年金振込口座にまとめました。

休眠口座の発見

家宅捜索しているうちに、色褪せた通帳やらキャッシュカードが複数出てきました。

中をみたら何十年前の記帳が最後になってるさかい、

――今も預金あるんかな?

って思わず首をかしげてしまうような休眠口座を複数発見。

平成から令和にかけて銀行の合併が盛んで、名前もいろいろ変わったさかい、銀行名をみても、

――どこの銀行で聞けばええんやろ?

って、これまた首をかしげてしまうところもいくつかありました。

とりあえず預金残高があるところは全部解約して、財産を手元にまとめておく必要があると思い、各金融機関へ解約の手続きをしに行きました。

銀行への問い合わせ

後見人からの解約手続きについては、HPには詳細な記載がないので、電話して聞くしかありません。

出し抜けに行ったら、長時間待たされた挙句何の成果なしで帰ってくる可能性が高いです……

どの店に行けばいいのか

原則として、後見人からの解約手続きは、取扱店でないと対応してもらえません。

ゆうちょ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行は、どの店でも対応してもらえます。

郵便局には支店という概念がないようなので、全国どこでも対応してもらえるはず

近くに本局とか大きな店がない場合は、近所の小さな郵便局でやってもらった方が待たずに早く終わります。

郵便局の店員さんは手慣れたもので、いなかの方でも手早くやってもらえます。

教育が行き届いているんでしょうね。

メガバンクでも、りそなグループは取扱店でないと対応してもらえません(本人ならどの店でも解約可)。

持参物

個々の銀行で解約に何が必要か縷々列挙するのは省略しますが、

・通帳
・後見人の実印
・登記事項証明書
・後見人の印鑑証明書
・後見人の運転免許証

を持参すれば、どこの金融機関でも解約に応じてくれました。

実印については、届出後も口座を存続させる場合は、必要ない場合もありました。

キャッシュカードがあればなおよいのですが、なくても手続きできます。

届出時に見つからなかったキャッシュカードが後日見つかったとしても、もう使えませんよ、といわれます。

キャッシュカードを持って行ったら、目の前で店員さんがはさみを入れてくれます。

手続きにかかる時間

手続きにかかる時間は、1時間~2時間でした。

来店予約しても、1時間はかかります。その間、ほとんど待っているだけ。

ゆうちょ銀行と三菱UFJ銀行は早く終わりました。15分程度でした。

ダブルヘッダー、運がよければトリプルヘッダーにも挑戦できそうですけどね。

本職が銀行に行かなければならないのがネックですよね。

こればっかりは、補助者任せにはできないんですよ…… 半日事務所を空けないといけませんしね。

ダブルヘッダーなら1日中いないなんてことになりかねないし……

解約後の預金の扱い

解約したら、他行口座への振込か現金化するか聞かれます。

原則は、年金振込口座に振り込んでもらうようにします。

そうすれば記帳されるので、証拠が残りますからね。

振込手数料に満たない場合なんかは現金でもらうしかありませんがね。

大阪家裁からは、預金額が50万円を超える場合は必ず振込にするよういわれます。

手元現金は50万円以内までならかまわない、とのことです。

あまり多いとヤバいんで、ふだんは10万円以内にしておくのが無難に思います。

届出後の引き出し

原則は、書類を書いて窓口で手続きすることになると思います。

でも、それだと後見人も銀行も面倒なので、後見人にキャッシュカードが発行される場合もあります。

キャッシュカードがあれば、ATMで引き出せます。

しかし、後見人の届出時、その場ではもらえません。

実際にやってみて

最後の記帳が何十年も前やったさかい、現在の預金残高がわからないんですよね。

この人は、年金振込口座以外は紙幣で出せなくなるまで引き出してはほったらかしてたようです。

2時間近く待たされた挙句、たった111円だなんて……

被後見人の財産はどれだけ増えたのか?

休眠口座の一つに、企業年金が振り込まれていた口座がありました。

本人ですら企業年金の存在自体を知らなかったみたいなので、知らずに増えていたようです。

この口座に120万円以上の預金がありました。

これを解約し、年金振込口座に振り込んでもらいました。

これで、被後見人の財産に余裕が出てきました。

報酬が出ないんじゃないか、という心配をしなくてよくなりました。

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