義兄の財産を相続できるのか?
寝屋川市の司法書士 渡辺です。
医療従事者へのワクチン接種が進み、高齢者の方にワクチン接種の案内がされているようです。
今回は、特別養護老人ホーム(特養)でお暮しの方の相続についてです。
成年後見人をしていると、
「被後見人のワクチン接種の同意書に署名してもらえないか」
と、特養からいわれることがあります。
成年後見人には、医療行為についての同意権はありません。
予防接種が医療行為に当たるのかどうか判断しにくいですが、
成年後見人が署名した同意書に何か意味があるのでしょうか?
以下の記事をご覧いただければ、理解しやすいです。
相続 登記についてお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
目次
- ○ 後見人は被後見人のワクチン接種に同意できるのか?
- ・法的根拠
- ・後見人の対応
- ・本人の意思がわからない場合
- ・リスク
- ○ 相談内容
- ・家族構成
- ・問 題
- ○ 回 答
- ・解 説
- ・相続に必要なもの
- ○ 甥・姪の子は相続できるのか
- ・ひ孫は相続できるのか
- ・卑属への相続が認められる範囲
後見人は被後見人のワクチン接種に同意できるのか?
後見人には、被後見人のワクチン接種についての同意権があります。
法的根拠
『予防接種実施規則』(第五条の二)によれば、
予防接種を行うに当たっては、あらかじめ被接種者又はその保護者に対して、予防接種の有効性及び安定性並びに副作用について当該者の理解を得るよう、適切な説明を行い、文書により同意を得なければならない。
と、規定されており、
『予防接種法』(第二条)によれば、
「保護者」とは、親権を行う者又は後見人をいう。
と、定義されています。
後見人の対応
被後見人ご本人が予防接種に同意し、自署すれば、後見人が何もしなくても接種できます。
被後見人ご本人が予防接種に同意していれば、後見人が同意書に署名してもかまいません。
ご本人が同意しても、ご本人が自署できない場合は、後見人の署名がなければ接種できません。
本人の意思がわからない場合
ご本人の接種の意思の確認が難しい場合は、成年後見人が署名すれば接種できます。
リスク
ご本人の同意さえあれば後見人が同意書に署名できますが、
接種は義務ではないので、
ご本人の同意がない場合、いくら権限があるといっても署名しづらいですね……
相談内容
Xさんから義兄のAさんの相続についての相談を受けました。
Aさんは、Xさんの妻Yさん(故人)の兄で、
すでに奥さんを亡くし、子もおらず、現在は特養で暮らしています。
Aさんの親族は、XさんとXY夫妻の娘であるZさんだけです。
Aさんの生活に必要な物を、XさんとZさんが持って行ったりして援助しています。
家族構成
登場人物を、Xさんからみた関係で整理します。
相談者 X
子 Z
妻 Y(故人)
妻の兄 A
Aさんのご両親はすでに亡くなっており、AさんにはYさん以外に兄弟はおりません。
問 題
Aさんが亡くなれば、Aさん名義の財産を、誰が相続するのでしょうか?
(Aさんに遺言がないものとします。)
1 Xさん 2 Zさん 3 XさんとZさん 4 誰も相続できない 5 その他
回 答
正解は、
2 Zさん
Xさんは、どれだけAさんの世話をしたとしても、
Aさんの財産を相続することができません。
解 説
Zさんは、伯父であるAさんの財産を相続できます。
これは、Zさんの母 Yさんに相続権があるからで、
YさんがAさんよりも先に亡くなってしまったため、
失われたAさんの相続権をZさんが継げるのです。
つまり、これは、代襲相続です。
代襲相続については、以下の記事をご覧ください。
相続に必要なもの
伯父姪間の相続であっても、親子間の相続と手続方法は同じです。
実際に相続が開始すれば、被相続人と相続人の戸籍をそろえて、
ZさんがAさんの相続人であることを示せばAさんの財産を相続できます。
相続財産がAさん名義の登記がされた不動産である場合は、登記名義の変更が必要になります。
相続登記に関してお困りの場合は、お気軽に司法書士にご相談ください。
甥・姪の子は相続できるのか
甥・姪がおじさんやおばさんの財産を相続できることがわかりました。
では、甥・姪の子は相続できるのでしょうか?
ひ孫は相続できるのか
前回、孫が代襲相続により相続できることを書きました。
では、ひ孫は相続できるのでしょうか?
被相続人の死亡前に、子供も孫も亡くなっていた場合、
ひ孫が相続権を引き継ぐことになります。
これを、再代襲相続といいます。
卑属への相続が認められる範囲
卑属への相続は、どこまで認められているのでしょうか?
ひ孫が再代襲相続できるのであれば、甥・姪の子へ再代襲相続できそうに思います。
しかし、甥・姪の子へは再代襲相続できません。
甥・姪との関わりも少ないのに、甥・姪の子とのつきあいなんて……
ほとんど他人と変わらないでしょう。
というわけで、不可です。
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