寝屋川で司法書士が後見人をやってみた(5)財産の確保
寝屋川の司法書士 渡辺です。
銀行・役所等へ成年後見人の届出をしました。
でも、銀行の預金口座から引き出せない……
その間に、企業年金振込口座についての銀行への問い合わせと親族への就任通知をしました。
寝屋川で司法書士が後見人をやってみた
相続 後見 ご相談承ります。
目次
- ○ 財産確保
- ・紛失届の届出人
- ・キャッシュカード Getだぜ!
- ○ 企業年金受取口座
- ・口座番号
- ・預金残高
- ・口座の出納
- ・今後の展望
- ○ 親族への就任挨拶
- ・LSへの就任報告
- ・アドバイス
- ・連絡票の活用
- ・発 送
財産確保
被後見人の銀行口座にある預金は、キャッシュカードがないと引き出せない状態です。
成年後見人の届出後、どのくらいでキャッシュカードをもらえるのでしょうか?
紛失届の届出人
成年後見人の届出をしてから半月後、銀行から電話がありました。
紛失届は、本人から出されたとのことで、これには愕然としました。
自分で通帳の紛失届出しておきながら、通帳の記帳に行こうとは……
認知症になると、そうなるんでしょうかね。
キャッシュカードはまだとのこと。他人だとけっこうかかるようですね……
キャッシュカード Getだぜ!
「キャッシュカードを取りに来て」
と、連絡を受けたのは、それからさらに2週間程が経ってからでした。
そのときに来店予約してから取りに行ったので、結局、成年後見人の届出をしてから1か月かかってようやくキャッシュカードを受け取ることができました。
ともかくも、これでようやく本人の財産を管理することができました。
早速、ATMで引き出して現金化し、未払いの水道光熱費の支払いに充てました。
あとは家賃ですが……
企業年金受取口座
企業年金の受け取り口座のある銀行は、口座取扱店以外の支店でも対応してもらえるようなので、近くの支店に3種の神器を持って情報開示の請求をしに行きました。
どこまで教えてもらうことができるのでしょうか。
口座番号
折しも、新型コロナウイルスの流行で、多くの方が外出を控えていることもあり、店内に人がまばらで、入店したらすぐに窓口に通してもらえました。
「成年後見人の届出をして、解約したいので、口座番号をフルで教えてもらえませんでしょうか」
そう話したら、意外にも、あっさりと口座番号をフルで教えてもらえた上に、手続きに必要な書類まで教えてもらえました。
通帳がある場合、
登記事項証明書、印鑑証明書、実印、免許証(登記事項証明書・印鑑証明書は、発行後6か月以内)
通帳がなければ、成年後見人の届出→紛失届→解約
本人にキャッシュカードが発行されていたので、キャッシュカードがなければ、カードの喪失届も必要になる、とのこと。
本人の銀行届出印はなくてもかまわないが、通帳とキャッシュカードは持ってきてほしい、ないと手続きに時間がかかる、といわれました。(キャッシュカードまで、要りますか?)
通帳もキャッシュカードも両方なければ、解約後、本人名義の他の口座への振込しかできず、その場合は、手数料がかかる、ともいわれました。
まあ、現金化したら横領とか怖いんで、振込して証拠を残すべきなんでしょう。
手続きに向かう前に連絡を入れてもらえれば、銀行側が前もって準備できるので、手続きが早く済む、と言われました。
でも、来店予約制度はないので、行ってもすぐに窓口に通してくれるかはわからない、とのことでした。
預金残高
一番気になるのは、預金残高ですよね。
ダメもとで訊いてみると、な、なんと百万円以上入っているとか⁉
――こっちの方が多いんとちゃう?
"それやったら、この口座の通帳かカードを大事に持ってたらよかったのに"
思わず、そうつぶやいちゃいましたね。
口座の出納
あと、この口座に企業年金以外に振込や引落しがないかも訊きました。
すると、ここ何年かは企業年金から年2回ずつ振込があるだけとのこと。
さらに、(お願いしてないのに)何十年前までに遡ってどんな入金や引落しがあるかまで教えてもらいました。
おそらく、まだ現役で働いていた頃のことでしょうから、後見業務には関係なさそうです。
今後の展望
「いつ頃手続きに来られますか」
そう聞かれたけど、通帳の有無がはっきりしてからだと、夏くらいかな?
印鑑証明書の有効期間(6か月)内に、何とか手続きしたいのですね。
通帳がないんですよね……
どこにあって、誰が持っているのか?
見つけられるんやろか?
はっきり言って、だしぬけに行ってここまで教えてもらえるとは思いませんでした。
ほんま、行ってみてよかったです。
親族への就任挨拶
親族が非協力的な場合でも、就任の挨拶をすべきでしょうか?
するとしたら、
いつやればよいでしょうか?
どのようにすればよいでしょうか?
LSへの就任報告
家裁への初回報告と同時期に、LSへ就任報告しました。
そこで、支部に相談したい事項として、
被後見人の親族はみな、被後見人と関わりをもちたくないらしく、長年絶縁状態になっているようですが、被後見人の親族に自分が後見人になったことを知らせる必要がありますでしょうか。また、連絡するとしたら、どのタイミングでどのような手段でするのが適当なのでしょうか。
と、記載しました。
親族への連絡については、ちょっと腰を引いた感じでした。
"したところで詮ないやん"
って、思ってましたから。
アドバイス
ところが、業務支援委員の先生からいただいたご意見は、違いました。
自分ならこうする、という言い方でしたが、
親族が非協力的な場合でも、就任後速やかに自分が後見人に就任したことを親族に通知する。
そこには後見人にできること・できないことを書く。
例えば、被後見人が亡くなったら後見人は後見人でなくなるので、元後見人が亡くなった本人の葬式をすることはない等。
この通知は、特定記録郵便で発送し、やった記録を残すようにする。
というものでした。
連絡票の活用
また、初めて後見業務をするということで、家庭裁判所への連絡票の活用についても教えてもらえました。
「こういうことで困っているので、どうしたらいいですか?」
というような一方的な投げかけは(専門職として)ダメみたいです。
必ず自分の考えを書いてから家裁に尋ねるような文面にしなければなりません。
法務局への相談票と同じですね。
報酬の申立て時は、
――後見人の業務でないことまでしたのであれば、そこまでしてあげているんだ。
と、いうことを強調する。
裁判所も後見業務についてわかっていないところがあるから、明記しないと評価してもらえないらしいです。
いろいろと具体的に教えていただいたので、大変ありがたかったです。
発 送
早速、特定記録郵便で親族に自分が後見人に就任したことを通知しました。
本人が亡くなっても葬式をしないことも書きました。
予想通り、たれからも反応はありませんでした。
中には、すでに転居している人もいましたが……
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