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312円を3か月で250万円にした後見業務(1) 初めての後見人

司法書士は後見人として、どのような活動を行っているのか。

外部からはなかなかわかりにくいので、初めて後見人になったときに、どのようなことをしたのか、自身の体験を記してゆきます。

成年後見 ラインナップ

司法書士が後見人になるまでにすること

後見人になったらまずすべきこと

後見人になったら次にすべきこと―後見人就任の届出

家庭裁判所への初回報告

目次

就任前―きっかけと受けた理由

きっかけは、リーガルサポート(LS)からの配転でした。

LSからの情報では、

・市内在住の70歳代後半の男性

・施設入所されている

・市長申し立て

・財産は不明だが、負債があるらしく、報酬がもらえるかどうかはわからない

とのことでした。

家裁へ後見申立記録を閲覧しに行きましたところ、

・認知症の程度(物忘れがひどく、情緒不安定)

・金遣いが荒く、年金が入ったらすぐに使い切ってしまう

・自立して生活するのには難があると判断し、措置入所させた

・家族から関わり合いを避けられており、家族からの協力が見込めない

・負債があり、財産、特に債務が不明

全体にわたって金遣いが荒いということが強調されていました。

知人ではなく、利害関係がないので、後見人になるのに障害はなさそうです。

ただし、無報酬になる可能性がありそうです。

でも、まず1件はやらないと何をすべきかわからないので、勉強と思ってやってみよう、そう思いました。

初めて後見人になったとき

家庭裁判所から審判書謄本が特別送達されてくると、いよいよか、という気になりますね。

その翌日、市の担当の方から電話がかかってきました。まだ抗告期間中なので何もできないので、ご挨拶だけでしたが。

2週間経ち、抗告期間が明けたと思うのですが、どこからも何も言われないので、本当に後見人に就任したのかわからない、どうしよう……。なんて思っていたら、家裁から電話が。

後見申立記録のコピーを取りに来るように、とのこと。

これで、正式に後見人に就任していたことがはっきりしました。

この時、安心したと同時に不安になりましたね。ちゃんとやっていけるのかな、って。
他人の意思表示を代理して行うというのは、無責任に生半可ではできませんから。

まず、市の担当の方へ電話をかけました。すると、本人の施設で関係者が集まってこれまでの経緯について話す、ということで関係者と日にちを調整してくれました。市長申し立てだと、市が最初やりやすい形に持って行っていただけるので、大変やりやすいですね。

施設訪問

就任日から約半月後、被後見人が入所している施設を訪ねました。

施設、市、地域包括支援センターそれぞれの担当者――これが関係者全てのようです。

被後見人と初面会

「まず本人に会いましょう」

そう市の方からいわれて、被後見人の部屋へ――。

本人の正面に座ったものの、名刺を渡しただけで何を話せばよいかわからずにいると、施設の方が自分を後見人と紹介してくれたので、それに乗って、これから後見人として財産管理等を行う旨を話しました。

「そんなええことしてくれるんか。わしゃ、金ないけど、大丈夫やろか」

これが初めて聞いた被後見人の言葉でした。「金がない」というのは、この人の口ぐせらしいです。

「○○さん、先生が○○さんが今なんぼ持ってるか調べやなあかんさかい、通帳を渡してもらえへん」

最後に施設の方が被後見人にそう言ってくれました。これは助かりましたね。

さすがに初対面で「通帳貸して」なんて言う度胸はないですから。

通帳を預かり、部屋から退出。この間、わずか数分。

最初にすべきこと

本人との面会後、市と包括から措置入所に至るまでの経緯や措置費について、施設の方から本人の現状について説明を受けました。

被後見人の財産が不明なので、まずそれを調べてほしい。

これが市からの要請でした。包括からは、

とにかく家賃の滞納額が不明なので、まず大家さんに連絡して、滞納額を確かめてほしい。

と、言われました。これで最初にすることがはっきりしました。

本人に会ってから、

――穏やかそうに見えたけど、何で家族から見放されたんやろう。

というのが、ずっと疑問でした。会う前は、

――家族から見放されるくらいやから、乱暴か口が悪いかどちらかやろう。

なんて思っていたのですが、会ってみると、そのどちらでもなく、何で忌避されるのかわからなくなってしまいました。

「○○さんは、今まで何をしてたんかご存じですか」

と、ぶつけてみたところ、

「さあ~、あの人が今までどうしてはったんか全然知らへんなぁ~」

と、みな首をかしげるばかり。

誰も本人の生い立ちなんて知りません。まあ、知らぬが仏といいますからね。

30分程の訪問でしたが、有意義な時間でした。

一番の収穫は通帳を預かれたことでしたが、それが困難の端緒になろうとは……

通帳残高 312円――

施設からの帰り道、通帳をATMで記帳してみましたが、何回やっても、

この通帳は記帳できません。営業時間内に窓口へお越しください。

との表示が。

もう少し早く来ていれば、店が開いていたのに……

って悔いたところでどうしようもない。明日、出直すしかありません。

それにしても、通帳を開いて愕然としたのは残高が312円であったこと。

ほんまに無報酬ちゃうやろか。

そんな予感が脳裡をよぎりました。

銀行のサイトで通帳への記帳ができない理由を調べてみたところ、

――半年記帳がなければATMで記帳できません。

との記載を見つけました。

それやったら、店に言うたら記帳してもらえそうやな。

その時は、そう軽く思っていました。

この後、とんでもないことに苦しめられてしまうなんて思いもよらずに……

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